2004-06-01から1ヶ月間の記事一覧

坂本康宏『シン・マシン』[bk1]

機械化汚染症候群(MPS)の流行、そして罹患した人々の脳は擬似テレパシーによってネットワーク化され社会構造が変容し、病に罹ることの出来ない人間はマイノリティとしてつまはじきにされる世界。突発性のMPSに侵された弟を救うために主人公はMPSの抗体を持つ…

A・H・Z・カー

『誰でもない男の裁判』[bk1]を読み始める。っていうか冒頭に収録されてる「黒い小猫」はイタイ、イタタタタ。娘が可愛がっている黒猫を牧師さんが踏み潰してしまって、苦しまないようにいっそ…とか言ってハンマーで昇天させて、ってイテテテテ。猫好きには…

望月諒子『殺人者』[bk1]

“けれんみがない”*1だとか、“天使が人間になった”*2だとか“アルテミスの論理と人間の倫理の対決”*3だとか書いてみたけど、自分の文章を読み返してみるとどーでもいいようなことしか書いてないように思える。望月諒子の作品を紹介するとき伝えなくてはいけな…

早川書房2004年8月の新刊からチェック ・『よろこびのレッスン』 トニー・ウォルターズ ・『碁を打つ女』 シャン・サ ・『ダーティペアの大復活』 高千穂遥 ・『グアルディア』 仁木稔 ・『暗い広場の上で』 ヒュー・ウォルポール ・『われはロボット〔決定…

望月諒子『殺人者』

…読了。大変面白い、しかしびっくりするほどけれんみの無い作品でした。感想は後日.。oO( 気温と湿度で眠れず、頭働いておりませんので )

e-hon予約コーナーよりチェック ・新潮社 『ねこのばば』 畠中恵 ・新潮社 『ふにゅう』 川端裕人 ・新潮社 『夜のピクニック』 恩田陸 ・新潮社 『その名にちなんで』 ジュンパ・ラヒリ

現在、

望月諒子『殺人者』読み中。これも、すごい。

藤原編集室通信 topics/注目の新刊よりチェック ・求龍堂 『千冊千夜』 松岡正剛 ネット上で4年以上にわたって連載されている「松岡正剛の千冊千夜」もいよいよゴール間近。総計400万字にも及ぶテキストが書物のかたちにまとめられる。全7〜8巻予定とのこと…

『Q&A』恩田陸[bk1]

郊外大型商業施設において発生した死傷事故、被害状況は死者69名、負傷者116名。その重大さにもかかわらず原因を特定できないことが多々の憶測をよび、様々な都市伝説が生まれる…というコンセプトで読めば傑作といっていいでしょう。→ 個々の思惑や心理状況…

ウィリアム・ゴールドマン『殺しの接吻』[bk1]

無慮数千冊の本を読破してそれでもなお物語の筋を純粋に愉しめる人がいるだろうか。出だし数十頁を読んだだけで「ふふん♪」なんて鼻を鳴らしてそのあとに続くあらすじを想像してしまって、実際その通りに話が進んで…ああヤダヤダ、そんなことになったらどう…

e-hon予約コーナーより7月の単行本をチェック ・実業之日本社 『追憶のかけら』 貫井徳郎 ・徳間書店 『沙門空海唐の国にて鬼と宴す 第一、二巻』 夢枕獏(全四巻) ・徳間書店 『夢見る猫は、宇宙に眠る』 八杉将司 ・徳間書店 『ロリータ℃の素敵な冒険』 …

田中啓文≒

ずーっと考えてることなんですよ…田中啓文って駄洒落さえ取ってしまえばコードウェイナー・スミスみたいだな、って。「人びとが降った日」とか「ガスタブルの惑星より」とか「黄金の船が…おお! おお! おお!」とか…なんか間違ってます? まあ「駄洒落の無い田…

ブリジット・オベール『死の仕立屋』[bk1]

複数の死体のパーツを縫合して1つのヒトガタにして放置する猟奇殺人鬼とそれを追う警察…なのだけれど、この捜査陣が低俗で無能で下劣。犯人のプロファイリングとかちいさな証拠をこつこつと集めて真相を突き止めるとかの捜査らしい捜査はしないで、女とか出…

ティエリー・ジョンケ『蜘蛛の微笑』[bk1]

他の男に鞭打たれ激しく犯される自分の愛人の姿をマジックミラー越しに眺め、嗤いをうかべる外科医。金を手にすることは出来たものの、手配書が回されて身動きの取れなくなった銀行強盗。ある日突然理由も判らず囚われ、手足の鎖に自由を奪われ、自分の排泄…

↓附記

いくつものプロットが少しづつ集約していく快感だとか、中盤以降に見られる視点の荒れだとか…そういう技術的なことに関する感想も書こうとしたけれど、どうかんがえても余計なお世話にしか思えないので略。まあそれはともかく『神の手』は、“小説を書く”とい…

望月諒子『神の手』[bk1]

凄い。ふと気がつけば本の半ばすぎまで頁を捲っていて、目をつむったとたん思わず大きくため息が漏れてしまう。意思とは無関係に漏らしてしまったそのため息にまず驚き、そしてそれまで自分がずっと息を詰めていたことに気づかされてまた驚く。そもそも活字…

昨日寝ぼけまなこでチェックしてたらタ行の出版社が“ごそっ”と抜けてましたので追加しました。…平山夢明の新作もでるんですね。実録怪談集もいいけど、やっぱり『メルキオールの惨劇』に惚れてる身としては長編を読みたいんですよね。『つきあわないで』は、…

コリン・ベイトマン『ジャックと離婚』[bk1]

巻き込まれ型サスペンスの面白さのバロメータのひとつは、主人公がどれだけ不条理で悲惨な状況に転げ込んでしまうかだと思っているのだけれど、そういう意味ではこの本、そうとうにポイントが高い。酔った勢いで女子大生にキスしたところを妻に見つかり「24…

本やタウン新刊リストから7月の新刊新書文庫まとめてチェック。 まず新刊書籍および新書 ・紀伊國屋書店 『砂浜』 佐藤雅彦 ・幻冬舎 『Q&A』 恩田陸 ・東洋出版 『テレザ』 ジョルジ・アマード ・メタローグ 『バースデー・ボックス 英米作家傑作短編集』 …

サイモン・クラーク『地獄の世紀』[bk1]

あっという間に読了。正味3時間もあれば上下巻読破できるリーダビリティの高さは評価できるが、“ある日突然20歳以上の大人がいっせいに子供たちを殺戮し始める”という趣向を除けば、ゾンビ物のヴァリエーションのひとつとしての枠を超えるものが何も無いのが…

トレヴェニアン『ワイオミングの惨劇』[bk1]

時と場所は州に昇格して間もない1898年のワイオミング。14歳で生まれ故郷に地獄の週末をもたらした事件をはじめ数々の凄惨な犯罪を起こし、収監後は千冊を超える書物を読む知性派の凶悪犯がふたりの囚人をつれて脱獄を図る。いっぽう、銀山と麓の町の間の岩…

角川書店来月刊行予定(書籍)からチェック。 ・伊坂幸太郎『グラスホッパー』 ・石田衣良『約束』 角川書店来月刊行予定(文庫)からは ・北野勇作『人面町四丁目』 をチェック。