2004-07-01から1ヶ月間の記事一覧

桐生祐狩『物魂』[ハルキ・ホラー文庫/角川春樹事務所][bk1]

あいも変わらずヒドイ小説。とはいえイノセンスがそのままヴァルネラビリティに直結してるようなキャラクターがなかなかヒドイ目にあわないところは、なるほど桐生祐狩入門には最適かもしれない。とはいえ結局ヒドイ目にあって、しかもヒドイ目にあうことが…

本やタウン新刊リストから8月、気になる単行本、新書のチェック。 [単行本] ・慶應義塾大学出版会 『痴愚礼讃』 エラスムス ・講談社 『アメリカの階梯(仮)』 西垣通 ・講談社 『カタコンベ』 神山裕右 ・講談社 『ゴシックハート』 高原英理 ・光文社 『琥…

↓『激震』は

まあ趣向がバレたくらいで面白くなくなる本ではないってことは言っておいたほうがいいような気がしないでもない。

早川書房2004年9月の新刊からチェック [単行本] ・『あまんじゃく』 藤村いずみ ・『狂気』 ハ・ジン [ポケミス] ・『怪人フー・マンチュー』 サックス・ローマー [文庫] ・『象られた力 Kaleidoscape』 飛浩隆 ・『月明かりの闇』〈クラシック…

ジェイムズ・ダレッサンドロ『激震』[早川書房][bk1]

↑「何で題名を反転しとるんやねん(笑)」 _,, ▼ ;´∀▼ .。oO( だってネタバレなんだもん ) ヾ(_,,)っていうか『激震』が、諸悪醜悪小悪党収賄に勤しむ権力者や人身売買とかのわかりやすい悪党どもを、不正を嫌悪する親っサン警官とそのアル中の長男お…

いつのまにかbk1リマインダサービスが文庫にも対応してるので、リストをつらつら眺めてたらなんと とみなが貴和 『EDGE(4)檻のない虜囚』 [講談社X文庫ホワイトハート] が出るじゃありませんか。いやあ、前回の文庫チェックではすっかり見逃してまし…

ジェフ・ヌーン『未来少女アリス』[ハヤカワ文庫FT/早川書房][bk1]

シュール&ナンセンスな駄洒落小説で、アリス小説の正統な血統を継ぐお話といっていいでしょう。「よぅこんな翻訳したなぁ」と感心するコトしきりのくだらない地口と、いかにも子供がはしゃぎそうな下品さ。深堀骨の『アマチャズルチャ』[早川書房][bk1]が好…

クリストファー・プリースト『奇術師』[ハヤカワ文庫FT/早川書房][bk1]

読了。傑作。→ でもSFとして読んでしまうと面白さは半減するはず。テスラが実在の人物だってことを考えれば瞬間移動装置の存在そのものが疑わしい、って考えられるでしょう。だいたいテキストが騙す気マンマン。個人的な記録であって門外不出扱いであるはず…

『キマイラの新しい城』[講談社ノベルス/講談社]

…が出る前に、ジョン・バースの『キマイラ』を読み直しておこうと押入れを開拓してたらありえないほど汗達磨に。暑いよ!

本やタウン新刊リストより8月書籍チェック。 ・幻冬舎 『壊れるもの』 福澤徹三 ・中央公論新社 『自殺自由法』 戸梶圭太 ・文藝春秋 『サウダージ』 垣根涼介 ・文藝春秋 『熱帯』 佐藤哲也 ・平凡社 『ロクス・ソルス』 レーモン・ルーセル ・法政大学出版…

八杉将司『夢見る猫は、宇宙に眠る』[徳間書店][bk1]

医療ナノマシンメーカー勤務のキョウイチはカウンセリング施設で研修生ユンとその恋人マークに出会う。二人と付き合ううちにキョウイチはユンに惹かれていくようになり、その思いはお互いともに“クローン”であることを知ったことでますます高まっていく。し…

チャールズ・バクスター『愛の饗宴』[早川書房][bk1]

…を読了したはいいが結構微妙。3冊の短編集はどれも大好きだったので残念 。

北野勇作『人面町四丁目』[角川ホラー文庫/角川書店][bk1]

北野勇作の角川ホラー文庫第一作『ハグルマ』[bk1]は牧野修に憑依されたかのような肌触りが気色悪〜い生理的嫌悪感を催させるホラーだったけれど、今作はまぎれも無い北野印。郷愁を誘う下町長屋のテクスチャーのコーティングを引っぺがすと、世界戦争級のオ…

ケネス・J・ハーヴェイ『自白の迷宮』[扶桑社ミステリー文庫/扶桑社][bk1]*1

登場人物は(一応)3人、自分の妻子を含めた連続殺人を自白して拘留、精神鑑定を受けている英文学教授Xと鑑定担当医のカベサ、そして事件担当の刑事サングレ。カベサはXが無実であると考え、サングレは有罪の前提のもとに、ふたりは患者Xと面談を続ける。Xは…

古川日出男『ボディ・アンド・ソウル』(双葉社)が8月予定…ノンフィクション扱いされてたのでチェック漏れしてました。ノンフィクションの境界を破る、まったく新しいタイプの小説とのこと。

本やタウン新刊リストから8月の文庫チェック。 ・朝日ソノラマ文庫 『夏休みは、銀河(1)』 岩本隆雄 ・岩波現代文庫 『哲学と反哲学』 木田元 ・ファミ通文庫 『吉永さん家のガーゴイル(4)』 田口仙年堂 ・角川スニーカー文庫 『涼宮ハルヒの消失』 谷…

ポール・L・ムーアクラフト『独房の修道女』[bk1]

独房のなかでひたすら神に祈りつづけて生涯を送ったという“隠修女”。中世英国に実在したという隠修女クリスティーンの生涯を記すことに憑かれた司祭デュヴァルは、その妄執のあまり、その土地に引っ越してきたばかりの女性マーダに目をつけ、拉致、監禁そし…

bk1で『グラスホッパー』[bk1]を買うと…

当店では、8月に『グラスホッパー』の著者・伊坂幸太郎氏のインタビュー企画を予定しています。当店で『グラスホッパー』をご予約いただいた方全員に、特典として、当サイトのインタビュー記事には未収録のこぼれ話のテキストを配信致します…ということらし…

マイケル・グルーバー『夜の回帰線』[bk1][bk1]

妊婦が惨殺され、臓器と胎児の脳が摘出されるという事件が起こる。被害者からは多種多様の化学物質が検出され、現場にはあやしげな木の実がおちていた。…その事件はハイチ人の仕業じゃない。ハイチ人をはるかにしのぐ者の仕業よ。ハイチはこの分野ではむしろ…

滝本竜彦絶賛らしい第1回ボイルドエッグズ新人賞受賞作、日向まさみち『本格推理委員会』が7月31日刊行予定、チェック。

松岡正剛『遊学』[bk1]

もう何度も読み返している本だけれどいまだ飽きない。“日本イデオロギーの密林(三枝博音)”“言語の物質性と代作性(柿本人麻呂)”“差異の直感を科学する(ニコライ・ロバチェフスキー)”“立ち上がった百科聖書群(ジョリ・カルル・ユイスマン)”“宇宙に合理…

松岡正剛の千夜千冊の千冊目は良寛

…マンディアルグかと思ってたのに。

奥田英朗『イン・ザ・プール』[bk1]、『空中ブランコ』[bk1]

色白デブで精神年齢クソガキの精神科医が、その下品な幼児性でもって、やってくる患者のココロのトラブルを解決する連作集。ちょっとのつもりで読み始めたらゲラゲラ笑いながら『イン・ザ・プール』をあっという間に読了。その調子で『空中ブランコ』に取り…

アラン・ラッセル『傷痕』[bk1]

画廊経営者が殺された事件を機にかかわりあうことになった解離性同一障害の画家と精神科医と刑事が、互いの心の傷を隠しあい、探りあい、さらけ出し、認めあい、そしてひとつの理解点へと辿る、ヨーロッパ映画を思わせるゆったりとした雰囲気の佳作。殺人事…

現在…

アラン・ラッセル『傷痕』を読み中、アクションとは無縁のじっくりとした小説。以降の予定はチャールズ・バクスター『愛の饗宴』、M・グルーバー『夜の回帰線』、P・L・ムーアクラフト『独房の修道女』、K・J・ハーヴェイ『自白の迷宮』…(順不同)

角川書店来月刊行予定(書籍)からチェック。 ・『an Assassin』 新堂冬樹 ・『THE WRONG GOODBYE ロング・グッドバイ』 矢作俊彦 ・『吸血貴』 小林泰三 ・『審判の日』 山本弘 ・『生首に聞いてみろ』 法月綸太郎 ・『木版画のマリア』 ダゴベルト・ヒルフ…