ブリジット・オベール『死の仕立屋』[bk1]

複数の死体のパーツを縫合して1つのヒトガタにして放置する猟奇殺人鬼とそれを追う警察…なのだけれど、この捜査陣が低俗で無能で下劣。犯人のプロファイリングとかちいさな証拠をこつこつと集めて真相を突き止めるとかの捜査らしい捜査はしないで、女とか出世のことばっかり考えて、連続する犯行に右往左往するばかり。犯人は犯人で、メインキャストの一人である警官マルセルの周囲で事件を起こしては、仕立て上げたオブジェの余り肉をくちゃくちゃしている始末。「なんか田中啓文読んでるみたいだなー」って思ったのは『蹴りたい田中』を併読していたからだけではないでしょう(笑)。それはともかく、この悪趣味なコメディタッチで進むプロットを牽引する最も大きな謎として“犯人が警官マルセルに近しい人間であるのに何でこうも気付かれないのか”って所に注目して読み進めていったんです…けどね。


  (ノ`д´)ノ ┻┻:・’.:
 
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まあ本当に“悪趣味なコメディ”としてだけなら楽しめます。でもやっぱり続編書く気満々の“最後のアレ”はどー考えても唐突。いっそ100頁くらいまで本書を圧縮して「第1部:死の仕立屋」とかやって続編もあわせて1冊にしたほうがいいんじゃないかな…とか思ったり思わなかったり。
.。oO( しかし裏表紙に書いてあるあらすじの煽り文句見てると、なんか読み残してるのかなーとかも思ったり… )