2003-01-01から1年間の記事一覧

髪を切ってきたついでに、久しぶりに本屋に立ち寄った。ネット書店を使うようになってからは普通の書店とは縁遠くなっていたけど、やっぱり一度入ってしまうと時間の許す限り本を眺めてしまう、うん。というわけで、ハヤカワのファンタジイ・フェアで重版さ…

キャサリン・ネヴィル『マジック・サークル』読了・・・ 『8』より派手だけど『8』より面白くなかった。なぜ?。気になるので『8』をぱらりぱらりと再読します。

関戸克己作品に対して:関口巽のモデルらしいとうわさされたためか、どこか神経質で陰湿な作品なのかなと考えていたのだけれど、幻想に対してはじつにあっけらかんと受け入れていて、関口巽が抱くような"世界を侵犯するものへの恐れ/畏れ"が抜け落ちている印…

関戸克己『小説・読書生活』[bk1]

「小説・読書生活」:自動記述とかデペイズマンとか口走りそうでした。こんなにまっとうなシュールレアリズム小説を目にするのも久しぶりっていう感じの小エピソード群で構成された第1章。正直この調子で100頁超を読まされるのはかなわないなぁとか考えてい…

『僕は天使の羽根を踏まない』に関する追記。ガジェットの回収をなおざりにして、主人公たちの物語だけに落とし前をつけたところはエヴァみたいだ、とか言ったら大塚英志は怒るかしらん?それとも思う壺?どうせなら『天使編』に決着してほしかった。

http://d.hatena.ne.jp/kosekei/20031116 一人称形式でも"私立探偵小説"的なものと"私小説"的なものではその性質はけっこう違うんじゃないかな、とか考える生業。酒見賢一『語り手の事情』とかジェイムズ・エルロイ『ホワイト・ジャズ』とかが思い浮かんだり…

山田風太郎は長編やエセーはおさえてても、短編は今まで読んでなかった。うん、これから集めていくつもりです。

山田風太郎「厨子家の悪霊」(光文社文庫『眼中の悪魔』収録)、なるほどこれは目が廻る。→このドンデン返しの連続はコリン・デクスターの長編をそのまま短編にした感じかとも思ったが、むしろ「レイダース・失われた聖櫃」的というべきか。危機また危機の連…

山田風太郎「眼中の悪魔」(光文社文庫『眼中の悪魔』収録)を読む。第一感、京極夏彦みたい・・・とか言って、はははは。もちろんこんな感想は倒錯してる、っていうか京極夏彦をはじめて読んだときに感じたのが”ずいぶん「新青年」っぽいアナクロな作家だな…

大塚英志『僕は天使の羽根を踏まない』[bk1]

書き下ろしの後半部は、思っていたとおり、乱暴に書きなぐられたような粗筋と脇役陣のとってつけたようなエピソード、そして体裁を整えただけの結末。まぁそれは大塚小説を読むときはいつも感じることで、「とりあえず書きました」という感じのするぶっきら…

『きみとぼくの壊れた世界』[bk1]

これは西尾維新による佐藤友哉トリビュートですな。近親相姦的、性に関するコンプレックス、エロゲめいた趣向とフラジャイルなラスト・・・。それでもこの小説がまぎれもなく西尾テイストなのは、主役をはじめとする登場人物の饒舌さが今までの作品と共通し…

西尾維新の新作を読んでいないとおちおちサイト巡回もできないのでこの週末には読みます、さくっと。

キャサリン・ネヴィル『マジック・サークル』[bk1]のんびり読書中、現在上巻250頁くらい。ヒトラーが出てきちゃったよ うひー、面白くなってまいりました。

http://picnic.to/~mhk/diary/diary0311a.htm#03/11/10 『カレーの歌』はマジで読んでみたいので誰か書いてください。プリーズ!

俺はレッド・ダイアモンド

もしかしたらすべてはチャカの妄想かもしれないのだ。『東京サッカーパンチ』の東京は本当はきわめて真っ当な街で"紫の地引網"も"山鎌組"も"剣会"も探偵井原の事務所の"XXX"も、客観的にみれば(日本人にとっては)ごく普通であって、そこで交わされた会話もま…

『東京サッカーパンチ』[bk1]

・・・ビリー・チャカはルポライター。筋金入りの芸者マニアで、ちょいと筆をとれば実刑確定となった知人の弟のためエクセレントな嘆願書で起訴の取り下げさせ、その知人の夫婦仲があやしげならば感動的でリリカルな一篇の詩で内面の静けさを信仰心に近い情…

『東京サッカーパンチ』[bk1]で電車に遅れるところでした。

舞城王太郎/キャシー・アッカー

・・・ポルノグラフィックな言説とアクロバティックなまでの<剽窃>、そしてカットアップと断片化された語りを得意とする。とりわけ、アッカーの<剽窃>=インターテクステュアリティは有名。(中略)また、アッカーはグラフィックなセックスと暴力描写で…

うーん某所で冗談で書いたつもりが考えてるうちにだんだんそうかもしれないと思うようになった 清涼院流水=ポストモダンフィクション ピンチョンとかデイヴィッド・フォスター・ウォーレスとかロバート・クーヴァーとかトム・ロビンスとかが書くような・・…

再読したサンドラールはまるでホドロフスキーの映画*1。これをはじめて読んだのは富士見ロマン文庫とか(ちょいとブンガク的な)ポルノを漁っていたころ、溢れるリビドーのハイティーンでした・・・だまされました、だってエロくないもの。"70歳の坂を越えてな…

ちなみに、ぼくが舞城王太郎に対して引いてる補助線はキャシー・アッカーです。

とかいっても付け足すことはあまりないな。ようするに異世界のワンダフルなプレゼンテーションでスパッと終わっちゃうバーカーの短編が好きだってこと、長編の場合、その異世界に落とし前をつけるために延々(面白い)ストーリーを繋げてるだけのようで、だか…

『冷たい心の谷』[bk1]

読了後ふと思う・・・クライヴ・バーカーってもう短編書かないんですかね。 っていうかこれ、あらすじだけ取ってきたら日本昔話集に入っててもおかしくない。民話とか伝承とか遠野物語とか聊斎志異とか、そういったものはぼくのファンタシィ原体験にずいぶん…

ファンタシィについて・・・ガジェットに託された暗喩とか象徴性とかいろいろ考えてるうちに正直よく分からなくなってきまし・・・ http://www3.vc-net.ne.jp/~longfish/Text/031102suzumiya.html (ポン)多少すっきりしました。物語の内部においてガジェット…

http://www.angel.ne.jp/~hidden/diary/img/20031025_chat.html http://www3.realint.com/cgi-bin/tbbs.cgi?cc2 SFとかファンタシィが何であるかって聞かれたら「それっぽいガジェットが出てくるお話だよ」って答えると思う、すくなくとも人にはそう答える…

http://picnic.to/~mhk/diary/diary0310c.htm#mimi 老婆小説と聞いて思い出したのが『世界の果てまで連れてって』( ブレーズ・サンドラール)と『ワイズチルドレン』(アンジェラ・カーター)[bk1]。どっちもケラケラ笑いながらおなかいっぱい楽しんだ覚え…

林譲治『記憶汚染』[bk1]

おもしろかった。 アイデアそのものに目新しさは感じないんだけれど、文庫本400頁弱の中にこれでもかッとばかりにキー・ワードをあれもこれも詰め込まれるともうくらくら(列挙しようかとも思ったがネタバレっぽくなりそうなのでX)。SFというよりはむし…

http://www.bk1.co.jp/cgi-bin/srch/srch_top.cgi/3f0d51b297d97010585d?aid=&tpl=dir/01/01170000_0031_0000000011.tpl 関戸克己の初めての作品集であり遺作集とのこと[bk1]。その名前やエセーから読み取れる人物関係から、京極堂連作に登場するきわめてフ…