あちこち覗いてるとSFセミナーでは「ふたりジャネット」関連でいろいろあった模様。まあわかりづらい話ではありますが、あとがきの→ ピンチョン顔写真は公開されてない」云々あたりで“ホラの場所”がどこにあるかを、風味を損ねないよう趣向に気づいてもらおう ←との訳者の苦心が見えたりしてそれこそ苦笑いしたおぼえがある、っていうか自分もわりと無関係なこのへん追記:無心で「ふたりジャネット」を読みたい方はリンク先には飛ばないほうがいいかも)で言及したりしてけっこう苦労してるし。→ (「故郷喪失者…」)p376 ←云々って箇所もキモだよね。“ホラの場所”をどこに想定するかでいろんな読み方ができるところもミソの超絶技巧の作品ではあって…とかいってじつはそーいう話じゃなかったらどーしよう、セミナーに行かれた方の密告を切に求める次第です(笑)。*1
のんびり読み中なのは原籙のエセー。無骨で朴訥、不器用だけど真摯な言葉が逆にスタイリッシュに思えるのは、しっかりしたダンディズムが基底となってるからかしらん。これ読んでると『オルタード・カーボン』で不満に思ってたのはSF的背景のずさんさよりも、ハードボイルド的倫理観のあまりに前時代的な捉えかたにムカついてたからだと悟る。それから読み始めは『ミヤザワケンジ・グレーテストヒッツ』。洗練された不穏、かすかにただようキュートとグロテスクの同居、凶暴の現前への予感としてのナンセンスな暗喩…ちょっとこれは久しぶりの収穫かもしれない。読了はいろいろありますが絶品だったのは『ぼくが愛したゴウスト』、これについては後ほど書きます。

*1:追記:↑ネタばれとはいえない程度に書いたつもりですが、念のため配慮を施しました。