本やタウン:書籍近刊情報より


朝日新聞社 『ARIEL(2)』 笹本祐一/鈴木雅久画 2/7 \1,260 
朝日新聞社 『クロノス・ジョウンターの活躍 ∞インフィニティ』 梶尾真治 2/7 \1,260 
朝日新聞社 『悪魔という救い』 菊地章太 2/13 \756 ((「悪魔払い」は欧米で未だに根付く「救い」の儀式で、その知恵が現代日本の若者に漂う閉塞感打破につながると説く学術的入門書。))

国書刊行会 『エヴァ・トラウト』 エリザベス・ボウエン/太田良子訳 2/15 \2,625 

白水社 『ママンの家で過ごした三日間』 フランソワ・ヴェイエルガンス/渋谷豊訳 2/下 \2,415 ((前金に手をつけながらもう何年も書きあぐねている59歳の作家。ひたすら過去の甘い記憶・文学談義・お色気話に耽溺する。))
白水社 『四月馬鹿』 ヨシップ・ノヴァコビッチ/岩本正恵訳 2/下 \2,520 ((紛争が続く旧ユーゴスラヴィアを舞台に、現実にひそむ狂気や暴力性をあぶり出す、実力派クロアチア人作家による異色の長篇。))
白水社 『エセー(3)』 ミシェル・ド・モンテーニュ/宮下志朗訳 2/下 \1,995 

『ラナーク』の第3部のどこか異世界的でなんか密閉的な雰囲気にどことなく灰羽連盟と同じ煉獄としての場のにおいを感じ取る。この煉獄というシステム――自分自身の(生前の)物語を寓意的な意匠の劇場の中で再構成/再体験し、自分自身が浄化へといたるまで自己言及し再演し反芻/反省しておのれの罪状を認識してゆく過程――っていうのは、なんかポストモダン的手法と親和性があるよねってことに気がついて…っていうのが『紙葉の家』を再読した動機だったりする。それにしても白水社はいいセレクトするなあ、『ナイフ投げ師』もすげえ愉しいし。