本やタウン文庫近刊情報より

6月刊行予定の文庫をチェック


[bk1/amazon]岩波現代文庫 『「敗者」の精神史』 山口昌男 \1,260 06/16 
[bk1/amazon]岩波現代文庫 『はじまりのレーニン』 中沢新一 \1,155 06/16 
[bk1/amazon]ファミ通文庫 『狂乱家族日記(1)(仮)』 日日日 \672 1 
[bk1/amazon]スニーカー文庫 『アンダカの怪造学(1)ネームレス・フェニックス』 日日日 \560 06/01 
[bk1/amazon]スニーカー文庫 『タマラセ忍者はコルシカ島へ行った』 六塚光 \600 06/01 
[bk1/amazon]角川文庫 『アジアンタムブルー』 大崎善生 \567 06/25 
[bk1/amazon]角川文庫 『GOTH僕の章』 乙一 \567 06/25 
[bk1/amazon]角川文庫 『GOTH夜の章』 乙一 \483 06/25 
[bk1/amazon]角川文庫 『NHKにようこそ!』 滝本竜彦 580 06/25 
[bk1/amazon]角川文庫 『アーモンド入りチョコレートのワルツ』 森絵都 \567 06/25 
[bk1/amazon]角川文庫 『夏のこどもたち』 川島誠 \567 06/25 
[bk1/amazon]電撃文庫 『終わりのクロニクル(5)(上)』 川上稔 \809 06/10 
[bk1/amazon]電撃文庫 『トリックスターズ』 久住四季 \641 06/10 
[bk1/amazon]電撃文庫 『飾られた記号 The Last Object』 佐竹彬 \641 06/10 
[bk1/amazon]電撃文庫 『わたしたちの田村くん』 竹宮ゆゆこ \641 06/10 
[bk1/amazon]電撃文庫 『ヴぁんぷ!(2)』 成田良悟 \620 06/10 
[bk1/amazon]河出文庫 『父が消えた』 尾辻克彦 \924 06/03 
[bk1/amazon]河出文庫 『忍者月影抄』 山田風太郎 \945 06/03 
[bk1/amazon]河出文庫 『オペレッタ狸御殿』 浦沢義雄 \630 06/03 
[bk1/amazon]講談社文芸文庫 『東京小説』 野坂昭如 \1,365 06/10 
[bk1/amazon]講談社文庫 『法月綸太郎の功績』 法月綸太郎 \未定 06/15 
[bk1/amazon]講談社文庫 『ザ・マン・フー・ラブド・ウィメン・トゥ・デス(仮)』 D・ハンドラー \未定 06/15 
[bk1/amazon]講談社文庫 『ブルー・デビル』 司城志朗 \未定 06/15 
[bk1/amazon]講談社文庫 『鏡の中は日曜日』 殊能将之 \未定 06/15 
[bk1/amazon]講談社文庫 『花腐し』 松浦寿輝 \未定 06/15 
[bk1/amazon]光文社文庫 『死ねばいいのに(仮)』 加門七海 \未定 06/14 
[bk1/amazon]光文社文庫 『マスグレイブ館の島』 柄刀一 \未定 06/14 
[bk1/amazon]光文社文庫 『債鬼(仮)』 福澤徹三 \未定 06/14 
[bk1/amazon]コバルト文庫 『流血女神伝 喪の女王(1)』 須賀しのぶ \520 06/01 
[bk1/amazon]集英社文庫 『よるねこ』 姫野カオルコ \未定 06/17 
[bk1/amazon]小学館文庫 『雷電本紀』 飯嶋和一 \730 06/07 
[bk1/amazon]新潮文庫 『ジャズ・アネクドーツ』 ビル・クロウ/村上春樹 \820 06/27 
[bk1/amazon]新潮文庫 『コカイン・ナイト』 J・G・バラード \900 06/27 
[bk1/amazon]中公文庫 『愛の妖精プティ・ファデット』 ジョルジュ・サンド \882 06/23 
[bk1/amazon]中公文庫 『ねむれ巴里』 金子光晴 \840 06/23 
[bk1/amazon]中公文庫 『偽満州国論』 武田徹 \840 06/23 
[bk1/amazon]ちくま文庫 『風々院風々風々居士 ―山田風太郎に聞く』 山田風太郎/森まゆみ \未定 06/08 
[bk1/amazon]ちくま文庫 『妖精の女王(3)』 エドマンド・スペンサー \未定 06/08 
[bk1/amazon]ちくま学芸文庫 『日本人の目玉』 福田和也 \未定 06/08 
[bk1/amazon]ちくま学芸文庫 『声と現象』 ジャック・デリダ 未定 06/08 
[bk1/amazon]ちくま学芸文庫 『不思議の国の論理学』 ルイス・キャロ 柳瀬尚紀 \未定 06/08 
[bk1/amazon]創元SF文庫 『フラクタルの女神』 アン・ハリス \945 06/上旬 
[bk1/amazon]創元推理文庫 『ランクマーの二剣士』 フリッツ・ライバー \987 06/下旬 
[bk1/amazon]創元推理文庫 『愚か者の祈り(仮)』 ヒラリー・ウォー \882 06/下旬 
[bk1/amazon]徳間文庫 『兇眼 EVIL EYE』 打海文三 \660 06/04 
[bk1/amazon]ハヤカワ文庫SF 『折れた魔剣』 ポール・アンダースン \903 06/上旬 
[bk1/amazon]ハヤカワ文庫SF 『ヒューマン/人類』 ロバート・J・ソウヤー \882 06/下旬 
[bk1/amazon]ハヤカワ文庫JA 『スラムオンライン』 桜坂洋 \609 06/上旬 
[bk1/amazon]ハヤカワ文庫JA 『サマー・タイム・トラベラー(1)』 新城カズマ \693 06/上旬 
[bk1/amazon]ハヤカワ文庫FT 『勝負の終り』 デイヴィッド・エディングス \987 06/下旬 
[bk1/amazon]ハヤカワ文庫HM 『休暇はほしくない』 パーネル・ホール \987 06/上旬 
[bk1/amazon]ハヤカワ文庫HM 『忙しい蜜月旅行』 ドロシイ・L・セイヤーズ \1,050 06/下旬 
[bk1/amazon]ハヤカワ文庫HM 『女刑事の死』 ロス・トーマス \840 06/下旬 
[bk1/amazon]ハヤカワ文庫NV 『マラソン・マン』 ウィリアム・ゴールドマン \882 06/上旬 
[bk1/amazon]ハヤカワepi文庫 『二十一の短編』 グレアム・グリーン \840 06/上旬 
[bk1/amazon]ハヤカワ文庫NF 『奇怪動物百科』 ジョン・アシュトン \966 06/下旬 
[bk1/amazon]PHP文庫 『君の夢 僕の思考You will dream while I think』 森博嗣 \600 06/01 
[bk1/amazon]富士見ミステリー文庫 『ROOM NO.1301しょーとすとーりーず・わん』 新井輝 \588 06/10 
[bk1/amazon]富士見ミステリー文庫 『平井骸惚此中ニ有リ(4)』 田代裕彦 \588 06/10 
[bk1/amazon]富士見ファンタジア文庫 『鮮血の学園祭(中)』 豪屋大介 \609 06/18 
[bk1/amazon]扶桑社文庫 『ロスト』 ジャック・ケッチャム \未定 06/下旬 
[bk1/amazon]扶桑社文庫 『(未定)』 エリザベス・ピーターズ \未定 06/下旬 
[bk1/amazon]扶桑社文庫 『野獣の都』 イザベラ・アジェンデ \未定 06/下旬 
[bk1/amazon]双葉文庫 『殺人症候群』 貫井徳郎 \840 06/16 
[bk1/amazon]二見文庫ブルーベリー 『姉☆コレクション(仮)』 本田透と恐るべきお兄ちゃん軍団 \720 06/17 
[bk1/amazon]文春文庫 『玉蘭』 桐野夏生 \610 06/10 
[bk1/amazon]文春文庫 『ベリィ・タルト』 ヒキタクニオ 580 06/10 
[bk1/amazon]文春文庫 『もののたはむれ』 松浦寿輝 520 06/10 
[bk1/amazon]文春文庫 『タイユバンの優雅な食卓』 A・トッドハンター \590 06/10 
[bk1/amazon]文春文庫 『消えた境界線 女検事補サム・キンケイド』 アラフェア・バーク \930 06/10 
[bk1/amazon]文春文庫 『カインの檻』 ハーブ・チャップマン \1,030 06/10 
岩波現代文庫山口昌男中沢新一…この二人の著作が同時期に出てくるとわけもなくにやにやしてしまうのはわれながら悪い癖だと思います。筑摩書房は相変わらずの飛ばしっぷり。飯嶋和一雷電本紀』は小学館文庫に移籍。飯嶋和一はもっと読まれていい作家、目を通すたびに奮い立つ。尾辻克彦は今月の『肌ざわり』[bk1/amazon]に続いて『父が消えた』が再刊される。その独特のモダン/ポップなテクスチャーを、今ならば異色短編作家のそれと比較されてもいいこの作家、検索してみればすぐわかるとおり赤瀬川原平のもうひとつの筆名であって、ぼくならば超芸術トマソン*1とセットになって忘れがたい名前となっている。トマソンとは、たとえば階段が撤去されてしまい2階付近に扉だけが取り残されてしまっている姿を…もちろん出入り不能となって扉本来の目的を果たすことのないその無用の長物と化してしまった、廃墟的な風情と虚脱とノスタルジーとそこはかとないユーモアを感じさせる、ちいさくもささやかなれどもれっきとした歴史の遺留品ともいうべきイコンとして捉え、芸術を超えた芸術としてその来歴を愛でる…いってみればちょっとした酔狂で、しかし常人には発想もできない趣向でもある。その感性がつむぐ小説世界もまた癖のある/癖になる世界であってこれはぜひお勧めしたい。

*1:その名は、鳴り物入りで来日したにもかかわらず鳴かず飛ばずで帰国したジャイアンツの助っ人外人ゲーリー・トマソンに由来している