↓附記

バットマン アーカムアサイラム』という作品はバットマンの敵役である犯罪者を収容する(精神)病院を舞台に、数々の超人犯罪者の心の闇を遡行するにしたがってバットマン自身も自分の心の闇に立ち向かっていくことになるという異色作でした。『シャッター・アイランド』をよんで真っ先に思い出したのがこれ。Dennis Lehaneのパトリック&アンジーシリーズはハードボイルドとして解釈するよりは、怪人vsヴィジランテのようなバットマンをはじめとするアメコミの文脈で考えたほうがぼくには分かりやすい。ミッキー・スピレーン的な激情がアップトゥデイトされた形といってもいいかもしれない。ところが『ミスティック・リバー』ではなんというか”文学的”饒舌さに接近していて、当時読んだときには期待していた文体の速度と食い違いがあったために十分にに楽しめなかった感じで、少し残念。映画の前にもう一度読み直してみようかな。