『愛の見切り発車』つながりで昔買いあさったブックガイドをいろいろつまみ食いする生業。
ハイデガーの名前を説教臭く使用できるほど彼の思想に通じてるわけではないので、"もう、最高! "としかいえない。せっかく苦労して読んだ本なのにこんなことしか言えないなんてめちゃくちゃ悲しいけれどおかげでずいぶんと身体が軽くなったような気がしたのは立派な収穫だった。学者でもないのに哲学書を読む楽しみなんて、他に何があるの?*1
"身体が軽くなった"! 当時この言葉には共感したものです。ほとんど肉体的快楽としての知性の構築=ビルドアップ。膨大なデータベースになるより、シェイプアップされた軽快なカルキュレータになること。読んだ本の中身は片っ端から忘れていった。記憶にとどまらないほど速く多く読んだ。エッセンスとかグルーヴ感さえ体内に残ってれば良かった。
…ぃゃぁ、単に記憶力が悪かった自分を慰めようとしてただけのような気がしないでもないですがね(笑)。

*1:角川文庫『活字中毒養成ギプス』収録、田口賢二「ノン・ジャンル・ベスト40」の"ハイデガー存在と時間』"の項を抜粋