本やタウン:書籍近刊情報より
ハインリヒ・マン『ウンラート教授』は傑作。学校という世界でおのれに振りかかる侮蔑と軽蔑と嘲笑を糧にすべてに対する矮小な憎悪を育て、自分のもつ小さなしかし絶対的な権力でもって生徒の価値と意思を失墜させることに邁進する暴君ウンラートの、しかし人間的卑近を体現したこの人物のその変転する悲喜劇にいとおしさで胸をときめかせながら読み続けることになろうとは正直思っていなかった。萌え? ウンラート萌えっていうの? いやでも先日巡回先のブログで、あるエントリーに対してそれこそウンラート(汚物)としか言えない人からイチャモンをつけられているところを目にするとウンラート萌えなんてのは所詮フィクション内幻想だなんてことも思ったりしないでもないんだけど。
■■■:潮出版社 『東京暮らし』 川本三郎 12/20 \1,680■■■:河出書房新社 『本の背表紙』 長谷川郁夫 12/14 \2,310 ((小林秀雄、吉田健一、堀口大學、中上健次。30年間文芸編集者として密な関係を作った今は亡き作家たちの言葉が四季の移ろいに蘇る。))
■■■:実業之日本社 『腕貫探偵』 西澤保彦 12/中 \860
■■■:春風社 『頭山満と近代日本』 大川周明/中島岳志編 12/上 \2,310 ((革新右翼の理論家が伝統右翼の巨人を描く。近代日本を形作った数々の重要な局面に、頭山はどう動いたか。「幻の原稿」ついに発見。))
■■■:小学館 『私を猫とよばないで』 山田正紀 12/10 \1,785
■■■:祥伝社 『あの哲学者にでも聞いてみるか』 鷲田小彌太 12/16 \798
■■■:筑摩書房 『哲学の誤読 入試現代文で哲学する!』 入不二基義 12/5 \903 ((哲学の文章を思考の対話を積み重ねるように読み解いてみよう。入試問題の哲学文を「誤読」に着目しながら精読するユニークな入門書。))
■■■:中央公論新社 『ドラゴンキラー売ります』 海原育人 12/15 \945
■■■:東京創元社 『温かな手』 石持浅海 12/11 \1,470
■■■:早川書房 『ベスト・アメリカン・ミステリ』 スコット・トゥローほか編/加賀山卓朗ほか訳 12/上 \1,890
■■■:早川書房 『祝宴』 ディック・フランシス&フェリックス・フランシス/北野寿美枝訳 12/上 \2,100
■■■:早川書房 『憎悪の世紀(上)』 ニーアル・ファーガソン/仙名紀訳 12/下 \2,625
■■■:早川書房 『憎悪の世紀(下)』 ニーアル・ファーガソン/仙名紀訳 12/下 \2,625
■■■:早川書房 『ポアンカレ予想』 ジョージ・G・スピーロ/永瀬輝男ほか監修 12/下 \2,310