■■■:徳間書店 『SF JAPAN 2007 SUMMER』 7/20 \1,680
『
現代思想の系譜学』とか『
現代思想を読む事典』とか
ボードリヤール、
アルチュセール、
ベンヤミンとか…強烈な牽引力は無いけれど、でもいつのまにか
今村仁司の名前が入っている本を結構持っていたりすることにふと気がついたりする。うーん65歳は早すぎるよね。あと『ひそやかな復讐』はようやく最終章←この章だけで300頁超、ちょっとした長編ひとつ分くらいの量がある。悲劇への不穏の予兆を含んだ、しかし秘めやかで穏やかとも言えるマイナーなトーンでゆったりと綴られる、幼年期の終焉を描いたサザン・ゴシック・ジュヴナイル。南部版『
はみだしっ子』(
三原順)とも『Under the Rose』(
船戸明里)ともいってもいいかもしれない…のだけれど翻訳がちょっと犯罪的。なんていうか、中学高校の英文和訳のときこれと似たような文章とか言い回しとか書いてたような気がするよオレ。ドナ・タートはプロットよりも語り口で読ませる作家だから致命的といってもいい。この訳ではとうてい人にはすすめられないので、古本屋で『シークレット・ヒストリー』を探すことをお勧めします。