西澤保彦『方舟は冬の国へ』[カッパ・ノベルス/光文社][bk1]

某所で「西澤保彦は少女漫画(白泉社系)なのですよ」という発言をしたら妙に納得されてしまった。ウケを狙ってただけなのだけど、まぁ言ってしまってから後、自分でもストンと腑に落ちた部分があってなんかスッキリする。某所の某氏は「そーいうところがキライ」なのだと力いっぱい断言してくれましてさらにスッキリ。
西澤保彦が擬似家族ものをヤルということで、三原順はみだしっ子みたいなのを思い浮かべて、うっかりコミックスを読みふけって軽く鬱になったりもしたんだけど、それはそれで別の話。でも『方舟〜』はキャラにひねたところがなくって、途中からはっきりしてくるSF的趣向とあいまって梶尾真治のロマンティックSF小品を思わせる心地よい作品になってる。でもラストのアレを→ 薬物依存症のヒトが薬をやめた後でも不意に襲われてしまうとゆーフラッシュバックみたいなモノ ←とか考えたりすると、とたんにニシザワ風の後味がニガイ幕切れに思えてくるからフシギフシギ。*1

*1:でもきっと考えすぎ