本やタウン:書籍近刊情報より


岩波書店 『詩文集 詩と神話』 チェーザレパヴェーゼ/河島英昭訳 9/10 \6,090 ((詩人としての労働の初穂「働き疲れて」。存在の深奥からの言葉「異神との対話」。21世紀文学への第一歩。))

慶應義塾大学出版会 『ファウストホムンクルス ゲーテと近代の悪魔的速度』 マンフレート・オステン/石原あえか訳 9/中 \2,415 ((「ファウスト」第2部に登場する人造人間「ホムンクルス」に焦点をあてた、小品ながら著者の現代的な視点が冴える文芸批評。))
慶應義塾大学出版会 『グーテンベルクからグーグルへ』 ピーター・シリングズバーグ/明星聖子ほか訳 9/中 \3,360 ((「グーグルブック検索」の衝撃とそれに伴う議論の沸騰においても見落とされている議題について、本質的な議論を展開。))

:近代映画社 『映画と原作について考えてみよう』 植草甚一 10/下 \1,890 
:近代映画社 『ヒッチコックら監督たちについて』 植草甚一 10/下 \1,890 

講談社 『花窗玻璃 シャガールの黙示』 深水黎一郎 9/7 \903 
講談社 『三崎黒鳥館白鳥館連続密室殺人事件』 倉阪鬼一郎 9/7 \882 
講談社 『分類思考の世界』 三中信宏 9/16 \816 ((生物分類学の歴史は2000年に及ぶ。知的格闘を平易に跡づけ、「種」をめぐる素朴な疑問を考える。前作『系統樹思考の世界』と対をなす怪著。))

:光文社 『電氣人間の虞』 詠坂雄二 9/17 \1,680 ((民俗学を専攻する赤鳥美晴は、遠海市の周辺で語られている「電氣人間」を研究のため探索する。しかし、彼女は感電死体で発見される。))
:光文社 『文学は「書き出しの1行」』 石原千秋 9/17 \735 ((最初の1行には作品のエッセンスが詰まっている。近代文学や戦後、時代の最先端だった作品を取り上げ、小説に隠れた宝物を探し出す。))

晶文社 『ロスト・ブックス』 スチュアート・ケリー/金原瑞人訳 8/25 \2,310 ((世界の文豪の未完に終わった知られざる本や企画を紹介する。作家の伝記的側面を追いながら、世界文学の総合案内書として楽しめる。))

実業之日本社 『徳川家康 トクチョンカガン(上)』 荒山徹 9/中 \1,575 ((誰も知らない「天下人」徳川家康の正体が今明かされる。読み始めたら止まらない、今年最高の歴史&伝奇エンターテイメント巨編。))
実業之日本社 『徳川家康 トクチョンカガン(下)』 荒山徹 9/中 \1,575 

中央公論新社 『書く――言葉・文字・書』 石川九楊 9/25 \819 ((書は絵画なのか文学なのか。漢字、片仮名、平仮名、アルファベットの違いは。筆蝕をキーワードに考察する書論・文化論。))

東京大学出版会 『リベラル・デモクラシーと神権政治 スピノザからレオ・シュトラウスまで』 柴田寿子 9/15 \3,675 ((政治と宗教の問題をどう捉えるか。スピノザを軸にホッブズマルクスアーレントレオ・シュトラウスらの思想を辿る。))

早川書房 『ザ・ストレイン』 ギレルモ・デル・トロ、チャック・ホーガン/大森望訳 9/上 \1,890 ((ジェット機の乗客大量死事件はやがて、未知の病の爆発的感染に繋がった。家族を引き裂く悪疫の正体を追う検疫官イーフの運命は。))
早川書房 『地球移動作戦』 山本弘 9/下 \1,680 ((西暦2083年、接近する新天体により地球は破滅する運命にあった。天才少女・魅波は地球を救う大計画に挑む。))

文藝春秋 『月食の日』 木村紅美 9/下 \1,600 ((作。「たそがれ刻はにぎやかに」を併録。))

平凡社 『〈前衛〉とは何か?〈後衛〉とは何か? 近代文学史のイデオロギー』 塚本昌則、鈴木雅雄編著 9/25 \8,190 ((「芸術は進化する」という近代イデオロギーの退潮とともに注目される「後衛」概念を使い、単線的な文学史を書きかえる意欲的試み。))
平凡社 『技術への問い』 マルティンハイデッガー 9/16 \2,940 ((1953年の講演「技術への問い」を中心に40〜60年代のハイデッガーの技術論を編集した初論集。現代科学文明への根元的な批判。))

みすず書房 『ナラティヴの権利 戸惑いの生へ向けて』 ホミ・K・バーバ/磯前順一ほか訳 8/25 \4,410 ((スピヴァクと並ぶポストコロニアル批評の雄バーバの、日本語版独自編集の論文集。バーバ思想のキー概念への見取り図と全体像を提示。))
みすず書房 『アドルノ 文学ノート(2)』 テオドール・W・アドルノ/三光長治ほか訳 9/10 \6,930 ((20世紀批評に燦然と輝くアドルノの、圧倒的なヘルダーリン論「パラタクシス」ほか18編を収録。全巻通しの周到な解説・索引を付す。))
みすず書房 『レクチュール 政治的なものをめぐって』 ポール・リクール/合田正人訳 9/中 \5,250 ((アーレント、パトチカからエリック・ヴェーユ、ウェーバー論まで。暴力と対決する政治哲学をテーマにした16篇。論考所収原著の抄訳。))