版元ドットコムより


法政大学出版局 『アーカイヴの病 フロイトの印象』 ジャック・デリダ/福本修訳 11/5 \2,4150 ((叢書・ウニベルシタス947――アーカイヴの概念は今日、記憶や技術、法や暴力、民主主義や幽霊たちをめぐる哲学の問いを呼びさます。起源を求めるアーカイヴの病=悪、アーカイヴを創設し管理する者の無意識、すべてを抹消する死の欲動のあいだで、歴史記述はどのようにあるべきか? 歴史家イェルシャルミの著作やフロイトモーセ論・『グラディーヴァ』論を通じて、デリダユダヤ性と精神分析、未来の問題を掘り下げた重要講演))
法政大学出版局 『中世の知識と権力 知は力となる』 マルティン・キンツィンガー/井本晌二、鈴木麻衣子訳 11/15 \2,940 ((叢書・ウニベルシタス946――古今東西、いかなる権力も「統治」のために何らかの「知識」を必要とした。その知識は、どのように形成され、どのように利用され、いかにして世の中を動かす力、あるいは権力になったのか。修道院の僧坊や付属学校、黎明期の大学における知の生産と伝達の過程を探りつつ、中世ヨーロッパにおける教養知識、実践知識とは何であったのか、また、両者の関係はどのように変化したのかを明らかにする))
法政大学出版局 『文化を転位させる アイデンティティ・伝統・第三世界フェミニズム』 ウマ・ナーラーヤン/塩原良和監訳/川端浩平、冨澤かな、濱野健、山内由理子訳 11/15 \4,095 ((サピエンティア14――インドに生まれ、米国の大学で政治哲学やフェミニズムを教える著者は、自らの体験も交えながら、西洋のステレオタイプ第三世界観に警鐘を鳴らす。欧米の女性が殴られると家庭内暴力といわれるのに、第三世界の女性が殴られるとなぜ文化のせいにされるのか。第三世界の「文化」とは、帝国が植民地を包摂する過程で創造されたのではないだろうか))
法政大学出版局 『グローバリゼーション 人間への影響』 ジグムント・バウマン/澤田眞治、中井愛子訳 11/19 \2,730 ((サピエンティア15――グローバル化によって軍事、経済、文化という主権の三脚を喪失した国家は断片化し、ローカルな無秩序を促す。そして、その無秩序がさらにグローバル化を進めるという循環が生まれ、誰もが行き場のない《放浪者》へと転落する恐怖に怯えている。本書は、移動をキーワードに、グローバル化が世界および人間生活の分極化と再階層化をもたらし、公共空間を消失させていくさまを描き出す))
法政大学出版局 『近代ドイツ精神史研究』 ヴィルヘルム・ディルタイ/久野昭、水野建雄編集・校閲 11/19 \22,050 ((ディルタイ全集8――ライプニッツに始まり、フリードリヒ大王の世紀をへてヘーゲルにいたるドイツ啓蒙主義の偉大な潮流はどのように形作られたのか。最晩年のディルタイが、西洋近代の諸学問と芸術、宗教と国家、教育思想の発展史のうちにその連関をたどる「ライプニッツとその時代」「フリードリヒ大王とドイツ啓蒙主義」「十八世紀と歴史的世界」「ヘーゲルの青年時代」など5作品を収録。ディルタイ精神史の真骨頂))
法政大学出版局 『帝国と経済発展 発展途上世界の興亡』 アリス・アムスデン/原田太津男、尹春志訳 12/15 \2,940 ((サピエンティア10――戦後アメリカ帝国のもとでの「繁栄の時代」は終わりを告げ、世界は貧困と衰退の時代に突入した。本書は、その歴史的過程を、米国および途上国の開発戦略を軸に詳細に検証し、はたして現在の状況から抜け出す道があるのかと問いかける。その際に重要なのが、それぞれの国による企業家精神に則った技術革新や政策であり、著者はその成功モデルのひとつとして戦後日本の経験を論じる))