web KADOKAWA近刊予定より

すでに刊行予告されていた書籍の延期が目立つ中、各国作家による神話の再話プロジェクト“世界の神話”の次回配本分が告知されています。すでに第2弾の作家として予定にあがっていたイスラエルデイヴィッド・グロスマンはともかく、『眠れ』『虫の生活』のヴィクトル・ペレーヴィンというのはちょっとした驚き。なおJ・ウィンターソン『永遠を背負う男』はマイジョウオオタロウ的というかフルカワヒデオ的というか、ヘラクレストリックスター役に置いたアトラス神話をウィンターソン自らの人生/人生観を重ね合わせて語ったドライヴ感のある佳作。そしてM・アトウッド『ペネロピアド』オデュッセウス英雄譚の大奥にかくれていた女性たちの状況をひとつの劇場空間として構成し、観る/観られる・騙る/騙られるというメタ・シアター的な趣向を加えて上演される秀作でした。