ビーケーワンより


講談社 『美の方程式 美=完璧×破れ』 布施英利 10/- \1,500 

集英社 『A3』 森達也 11/- \1,995 ((真相究明なしに「事件」は葬り去られようとしている。『A』『A2』の作者が、新しい視座で「オウム事件」と「日本人」の本質に迫る))
集英社 『免疫学の巨人 7つの国籍を持った男の物語』 ゾルタン・オヴァリー/多田富雄訳 11/- \2,520 ((本書で出会うのは、20世紀前半からのヨーロッパやアメリカの著名な文化人やノーベル賞受賞者たちの姿。楽しく、興味深いエピソードも満載))

みすず書房 『イデーン 純粋現象学現象学的哲学のための諸構想 3 現象学と諸学問の基礎』 E.フッサール/渡辺二郎、千田義光ほか訳 11/- \4,200 ((現代思想の原点とも呼ばれ、最重要哲学書の一つ。「自然的思考から遠く離れた」現象学の独自の超越論的な位置づけを解明。全5冊完結))
みすず書房 『ドイツを焼いた戦略爆撃』 イェルク・フリートリッヒ/香月恵里 11/- \6,930 ((■米英軍によるドイツ諸都市への空爆を包括的・詳細に描いたおそらく唯一の書。■本書は戦略爆撃が実行されるに至った非戦略的な経緯、それを遂行する側の過酷な状況、そして地上で炎上(Der Brand)した人と都市を、圧倒的な筆致で描いている。■自国の戦争被害について語ることが一種のタブーだったドイツで2002年に刊行されるや凄まじい反響を呼んだ。2006年にはコロンビア大学出版から英語版が刊行され、計10カ国語に翻訳されている。戦略爆撃について考える上ではまず読んでおきたい本。 ■都市への絨毯爆撃という作戦は、ドイツの脅威が非常に大きかった1941年頃に浮上したが、英軍が効果的にこれを実行できるようになったのはその数年後。その頃には戦況はドイツに不利となり、無差別爆撃はその根拠を疑問視されていた。しかし結局ドイツ降伏までのあいだに60万人あまりの市民が爆撃により死亡し、その上空に散った英兵は5万5,000人にのぼった。一方で、絶滅収容所へのユダヤ人移送に使われていた鉄道への爆撃は、それが「軍事施設ではない」ことを理由に連合軍はこれを拒んだ。■ホロコーストに関連する言葉を用いて連合軍の爆撃を形容する箇所や、極右メディアからの接近を著者が敢えて遮断しないなどの点が非難されているが、本書自体への評価は高いところで確立されていると言える(NYREV, The Nation, Economistなど主要誌の書評。署名記事ではスタンレー・ホフマン、イアン・ブルマら)))
みすず書房 『歴史家の羅針盤』 山内昌之 11/- \2,730 ((歴史学に立脚した現実主義と心の奥底に秘めたロマン主義の絶妙なバランスで、中東・欧米・アジア・日本史についての一般書から専門書までを論じ、日本の政権交代を挟んだ今日から歩むべき道を示すアクティブな知恵の泉。 2008年から2010年前半までの書評(毎日新聞日経新聞週刊ポストなど)と、文庫化に際しての「解説」、本をめぐるエッセイなどを収録。ゼロ年代と今後の世界情勢を「読む」ための文献セレクション。『歴史家の書見台』(小社刊)『歴史のなかの未来』に続く、著者にとっては6冊目の書評集))