青土社近刊案内より


青土社 『1492 コロンブス 逆転の世界史』 フェリペ・フェルナンデス‐アルメスト/関口篤 訳 10/- \2,940 ((1492年世界終末の予言は当たった。しかし・・・・・・。絢爛たる独自文化で繁栄するインド、中国、イスラム圏、日本などに、その後進性から蔑み・無視された、コロンブス新大陸発見当時のヨーロッパ諸国。1492年を分岐点に、現代をも束縛する西欧による世界再編と覇権の謳歌はなぜ可能になったのか。そのダイナミズムを詳細に追う、歴史学の第一人者による白熱の成果))
青土社 『指紋論 心霊主義から生体認証まで』 橋本一径 10/- \2,730 ((犯罪捜査や身元確認の手段として普及し、今日の監視社会・管理社会においても重要性を保ち続ける 「指紋」。その指紋の歴史を通じて近代以降の主体や権力の変容過程を明らかにする、極めてユニークかつアクチュアルな試み))
青土社 『暴力 6つの斜めからの省察』 スラヴォイ・ジジェク/中山徹訳 10/- \2,520 ((見える暴力・見えない暴力――紛争・衝突と内戦、テロと暴動そして流血だけが悲惨なのか。貧困と暴力にきめこまやかに心を配る一方で、グローバリズムに邁進する政治・経済システムから大胆に搾取するリベラル・コミュニストの欺瞞こそが、今日の暴力の最たるものではないのか。ポスト資本主義時代の〈暴力〉の諸相を根源から捉え直す、創見溢れる論考))
青土社 『ことばの哲学 関口存男のこと』 池内紀 10/- \1,890 ((関口存男(つぎお)とはドイツ語学者であり、数々の参考書は 「関口文法」 として知られる。生涯をかけて追求したのは、図らずも同時代人・ヴィトゲンシュタインと同じ、「言語のうちにあって、言語で語りえぬもの」 だった。――しかし、本書を読むにあたって、関口に興味をひかれなくても一向に問題ありません。〈池内散文〉とでも言うべき著者の語り口にのせられてぐいぐい読めます。内田百輭とのかかわりや独特の語り口などを楽しむうちに、「語りえぬもの」 もなんとなく見えるかもしれません))
青土社 『デカルトの骨 近代哲学最大のミステリー』 ラッセル・ショート/松田和也訳 10/- \2,310 ((はじまりはデカルトの死。そして墓から掘りかえされたその遺骨は、利用され、売り飛ばされ、崇められ、論争の種になり、350年ものあいだ人から人へ、各国を転々とすることになった。そして骨のゆくえをたどりながら(心/身のあいだの視点をとりながら)著者が見事にあぶりだすのは、骨が絡んできた世界の変革の歴史である――科学の誕生、民主主義、心身二元論、科学と宗教のあいだの混乱・・・・・・。破格に面白い、最も知的なノンフィクション! われ在りき、ゆえに骨あり――))