ビーケーワンより


人文書院 『嘔吐』 ジャン−ポール・サルトル/鈴木道彦 7/- \1,995 ((人間存在の不条理を描いたサルトルの『嘔吐』が60年ぶりの完全新訳で甦る。前半世紀の前半に書かれたサルトルの代表的作品でもあるこの哲学小説は、いささかも古びることなく、20世紀の古典であるとともにすぐれて現代的な秀作です。『嘔吐』は非常によく構成された密度の濃い、21世紀に読みつがれるべき哲学小説です。日本でもサルトルブームのなか「実存主義」の聖書として受け入れられ、人々に与えた影響ははかりしれないものがありました。平井啓之は『嘔吐』はプルーストのパロディ小説といっていたこともあるくらいで、サルトルプルーストの影響を多大に受けています。今度の新訳では、プルーストの長編小説『失われた時を求めて』の訳者としておなじみであり、サルトル研究者でもある鈴木道彦が、決定版として若い読者にも長く読みつがれるように、古い訳語も見直してより読みやすくしました。当時読んだ人も改めて読み直して欲しいと思います。読めば読んだ回数だけ新しい理解と発見がある小説、それが『嘔吐』です))

水声社 『ヘンリー・ミラーの文学 愛の欠落から追求へ』 小林美智代 6/- \3,360 ((20世紀アメリカの反骨の文豪ヘンリー・ミラーは、パトスの知を伝えるための革命的な方法探究者だった。その主要作品に表れた表現と形式を考察し、ミラー文学への新たな理解を提示する画期的論考。年譜・書誌など資料満載))