■■■:インスクリプト 『民主主義への憎悪』 ジャック・ランシエール/松葉祥一訳 7/5 \2,940
要はSFならば理屈を蹂躙するガジェットの
スペースオペラ、ファンタシイならこけおどし寸前のおどろおどろしいソード&ソーサリー、そしてミステリなら目まぐるしいほどのツイスト&アクションというように、オレが飯を食らうように読みたいのはパルプ小説なんだな(歯ごたえのあるちょっとめんどくさい(
だがそれがいい)ものは週一ぐらいでいいな)…ということを実感したのはパルプ小説としては出色の傑作だったマイク・ハリソンの『揺さぶり』を先日読んだときだったけど、さてそれほど日を置かないでまたもこの手の快作に出会えた→
ジェイムズ・リーズナー『聞いてないとはいわせない』。あとがきではウェストレイクや
エルモア・レナードを引き合いに出していて、それはそれでまったく同意なのではあるけれど、この腹に一物もっていそうな人物ばかりが裏切りとガンアクションによって織り成していく
ドッグ・イート・ドッグの世界は、『
ワイルダネス』『
ジオブリーダーズ』などの
伊藤明弘が描く世界との互換性が非常に高い。ああもっとこういう(安っぽい)のが訳されないかなあ…とかいうことはたしか
ヴィクター・ギシュラー『拳銃猿』がでたときも思ったなあ、あれはもう5年も前になるのか、これもすげー面白かったなあ。