e-honもうすぐ出る本の予約より


岩波書店 『文学をめぐる理論と常識』 アントワーヌ・コンパニョン/吉川一義、中地義和訳 11/27 \3,990 
岩波書店 『祝祭性と狂気 故郷なき郷愁のゆくえ』 渡辺哲夫 11/27 \3,360 
岩波書店 『プラトンの弁明 ギリシア哲学小論集』 加来彰俊 11/28 \7,560 

学習研究社 『クトゥルー神話の謎と真実』 11/9 \980 

ポプラ社 『恋愛小説ふいんき語り』 麻野一哉、飯田和敏米光一成 11/20 \1,575 
ポプラ社 『トマス・ペインの「人間の権利」』 クリストファー・ヒッチンス/中山元訳 11/20 \1,680 

岩波書店は財布に辛いな。で、再読シリーズはロレンス・ダレルアレクサンドリア四重奏』→ジョン・ファウルズ『魔術師』→ミシェル・トゥルニエ『魔王』へと。やっぱり以前よりもプロット中心の読みから描写中心の読みへと、エモーションからテクニカルへと志向が変わっているな、いいことなのか悪いことなのか。そのあいまにデイヴィッド・ピース『TOKYO YEAR ZERO』を読む。独りよがり/自己陶酔はあまり変わっていないけれど抑制はされている。なにより(成功したかどうかは別として)上田秋成/泉鏡花の流儀を目指したという(多用されるモノローグのリフレイン等の)幻惑的なスタイルと、“戦後”というそれまでの価値をまったく別のものに上書きされ、さまざまな位相において見かけの虚実を断じ難くなってしまった世界観とのマッチングが意外に悪くない。クライムノヴェルやノワールというより幻想小説として読まれるべきだと思う。ヨークシャー四部作もこの方針で読み直してみようかな。