【集え】文学板―情報―スレッド【文殊】より


国書刊行会 『ロートレアモン論』 前川嘉男 10/- \4,200 

彩流社 『さらば、アルハンブラ 深紅の手稿 上巻』 アントニオ・ガラ/日比野和幸、野々山真輝帆、田中志保子訳 10/4 \2,800 
彩流社 『さらば、アルハンブラ 深紅の手稿 下巻』 アントニオ・ガラ/日比野和幸、野々山真輝帆、田中志保子訳 10/4 \2,800 

:作品社 『ロリータ、ロリータ、ロリータ』 若島正 10/23 ¥- 

思潮社 『シルヴィア・プラス 愛と名声の神話』 高市順一郎編著 9/- \2,940 
思潮社 『塚本邦雄歌集』 塚本邦雄 10/- \1,260 

水声社 『動物寓話集他』オノレ・ド・バルザック/私市保彦、大下祥枝訳 10/- \3,150 

ロリータ論ロートレアモン論ともにマストですとも、ええ。で、じっくりゆっくり堪能した→イーディス・ウォートン『幽霊』では、怪異は現世と見分けがつかない姿をしながらある因果の告発の契機としてぬるりとあらわれてくる。その彼岸と此岸の見わけがつかない曖昧さと、その怪異の因果となった事件にかかわる事柄を−まるで触れることすら畏れる禁忌でもあるがごとく−迂遠に描写することとが、隔靴掻痒とでもいうべき不穏さを醸しだしていてたまらない。怪談の本質は演出にあると思っているのだけれど、それを実証してくれるような技巧が冴え渡る逸品ぞろいだった。んで、つぎは『選ばれた女』を読み始めよう。