:北星堂書店 『アヴァン・ポップ 増補新版』 ラリイ・マキャフリイ/巽孝之、越川 芳明編 7/- \3,780 
ブックマークしておいた↑が注文可になってたのでピックアップ。さて『敵は海賊』+『虐殺器官』+『ゴーレム100』に備え(?)て脳みそのトレーニングがわり(笑)にバリントン・J・ベイリー『シティ5からの脱出』をつまみ中。“移動”が連続/継続的なものでなくチェス的な法則に支配された世界からの訪問者“騎士”との対話「宇宙の探求」と獲得形質を遺伝情報としてフィードバックできる(つまり速く走れるように特訓すればそれが遺伝情報として記録されるようになる)世界にやってきた調査隊の(我々の側から見れば)アブノーマルな倫理劇「ドミヌスの惑星」とをとりあえず読むが、やあすごいなやっぱり。しかし今この傑作集を開いてみて感じ入ってしまうのはむしろ水鏡子による解説の次の文章 “ベイリーという作家は基本的にばかな話を書きあげて、読者になんとばかな話を書く人だとよろこばれることしか考えていない。ただ単にそれだけのために難解な科学理論から深淵な哲学理論にまでいたる広大な領域を渉猟するばかげた努力が、SFファンの心の琴線に触れるのだ。(中略)高尚な理論がバカ話を成立させるためだけに要請され使用されるということは、知性の途方もない無駄づかいであるわけで、そうしてできた小説は稚気横溢する贅沢品なのである。もしかして、それがSFの魅力の根元なのかもしれない。(p346〜347)” であったりする。おお自分の読書行動の規範となる原理はここから始まったんだったかなあ。