角川書店単行本来月刊行予定(より


角川書店 『前巷説百物語』 京極夏彦 4/- \2,100
アン・アーギュラ『わたしが殺された理由』…ミステリっぽいしファンタシィっぽいところはあるけど、ミステリでもファンタシィでも無い。どちらかといえば抗いがたい時間の流れによる身体もしくは精神の変容による心身の不均衡が主題ともいえるコンテンポラリーノヴェルといったほうがしっくりする。ただそれが更年期障害(←語り手、警官49歳♀)だったり三十年前に殺された少女の生まれ変わりとしての記憶が再生されることだったり(←語り手の相棒、マッチョでナイスなメンタル・フィーメイル♂)なだけで、ちょっとスリップしたスタンダードと言うべきかもしくはスタンダードをベースにしたギークと言うべきかのラインを、ちょっぴりあけっぴろげにやさぐれた語り口でのドライヴしていくのはなかなか楽しい感じ。ちょっとオススメ。