本やタウン:書籍近刊情報より


NTT出版 『戦争はいかに「マンガ」を変えるか』 小田切博 3/10 \2,625 

幻戯書房 『花 四季の詩想』 饗庭孝男 3/7 \2,730 ((旅の思い出や異国での生活を彩り、豊かにしてくれた四季の花々。音楽と美術、プルーストを愛する文芸批評家が綴る、こころの記録。))

慶應義塾大学出版会 『TOTALITE´;EN EXCE`S Georges Bataille, l’accor』 細貝健司 3/下 \8,400 ((フランスの思想家ジョルジュ・バタイユの思想基盤を、ヘーゲルの影響、さらにはヘーゲル思想の源流にまで遡り跡づけようとする試み。))
慶應義塾大学出版会 『福澤諭吉自由主義 個人・自治・国体』 安西敏三 4/上 \4,200 ((福澤諭吉がミル、ギゾー、トクヴィルら西欧の思想家の著作をどのように学び理解し、自らの思想をどのように確立したのか。))

:現代思潮新社 『僭主政治について(下)』 レオ・シュトラウス/石崎嘉彦ほか訳 3/8 \4,410 

工作舎 『田中泯 海やまのあひだ』 岡田正人撮影/松岡正剛ほか文 3/下 \9,450 ((ダンサーと写真家のコラボレーションの記録。写真集の舞台は東京・夢の島の泥海から山梨・桃花村の山と森の四季まで。))

国書刊行会 『芥川龍之介と中国 受容と変容の軌跡』 張蕾 4/15 \3,990 ((芥川の中国旅行に関わる中国物、特に「蜜柑」「尾生の信」「杜子春」「支那游記」を中国人の視点で再評価した新たな芥川文学研究。))
国書刊行会 『ジーヴスと朝のよろこび』 P・G・ウッドハウス/森村たまき訳 4/15 \2,310 ((好評シリーズの第7弾。おなじみのバーティとジーヴスがまたもや大活躍。本邦初訳の長編小説。))
国書刊行会 『星雲組曲』 張系国/山口守ほか訳 4/15 \2,520 ((異文明との接触や未来の人間社会をモチーフに繰り広げられる、科学と幻想が入り混じった奇妙な話。本邦初の台湾SF小説集。))
国書刊行会 『戦国時代のハラノムシ 九州国立博物館蔵『針聞書』』 長野仁、東昇編 4/25 \1,890 ((戦国時代の医学書『針聞書』に描かれた、奇妙奇天烈でキモカワイイ、病気をひきおこす63種の虫の図をオールカラーで収録した画集。))

:春秋社 『ブーバーロジャーズ対話 解説つき新版』 R・アンダーソン、K・N・シスナ編・著 3/下 \2,520 
:春秋社 『徳の巻』 黒住真編・著 3/下 \2,100 

勉誠出版 『本文化の基本形○△』 篠田知和基 3/中 \2,940 ((柳田國男は三角のおむすびに日本人の心臓の形をみた。衣食住や信仰、日本文化観に埋め込まれた○△□の形と、その意味を読み解く。))

法政大学出版局 『存在論抜きの倫理』 ヒラリー・パトナム/関口浩喜ほか訳 4/上 \2,310 

法律文化社 『現代フランスの新しい右翼 ルペンの見果てぬ夢』 畑山敏夫 3/中 \3,780 ((欧州で新たな右翼政党が台頭している。フランスの国民戦線イデオロギーと運動を検証し、ポピュリズム政党の本質的意味を解読する。))

来た! やっと来た、SFマガジンに台湾SF小特集で3編が邦訳されたのは四捨五入すれば20年前のことになる張系国のSFがついに来た。あと現在デイヴィッド・ミッチェル『ナンバー9ドリーム』読み中。あとがき等に村上春樹に言及されてるけど、むしろ妄想回想幻想寓話等さまざまな種類の物語を援用/言及しながら時折不意に侵蝕してくる(神話的)暴力性に巻き込まれながら語られる凡庸な青年の過剰な饒舌体による父親探索の物語といった体は舞城王太郎との強い親近性が感じられる。なおかつ、『熊の場所』以降セルフパロディ自家中毒に陥っている(と思われる)舞城王太郎が、もしちがった形で熟成されていたらなっていたかもしれない姿を思わせる豊穣さが『ナンバー9ドリーム』にはあって、とにかくめちゃくちゃ面白い。『ヒストリー・オブ・ラヴ』に続く新潮社のヒット。クレストブックスでは今後ジョン・バンヴィル(!)やウィリアム・トレヴァーも予定してるらしいし期待大ってところですな。