誰もが気になる(笑)ジャック・カーリイ2作目『デス・コレクターズ』が、前作のような悶絶ホワイダニットのようなウリ(笑)がないにもかかわらず、予想以上に(笑)面白かった。とはいえ『百番目の男』も、キャラクター造型の確かさとちょっとした嫌味と皮肉を軽妙と洒脱でコーティングしてプレゼンテーションするその描写の捌きがなかなか堂に入っていたことを考えれば、じつは意外でもなんでもないのかもしれない。贔屓目で言ってしまえば『百番目の男』のウィークポイントは“シリーズ化への色気を視野にいれるあまり必要以上のファクターを未消化のまま放り込んだため構造が散漫でプロットが集中力のないものになってしまった”だけといってもいいのではないかと(笑)。『デス・コレクターズ』ではそのあたりの課題がきっちりこなされていて、クライマックスシーンで演出におけるちょっと妥協があることを除けば、すくなくともシリーズ・エンタテイメントとしては申し分ないものになっている。次回作は、今回のようにおっかなびっくりではなく、はっきり期待して待ちたい…っていうか近い将来、ジェフリー・ディーヴァーやT・ジェファーソン・パーカーそしてジョー・R・ランズデールがそうであったようにひとつのブレイクポイントとなる大きな作品をものにするかもしれないと無責任に予言しておいて今回は〆。感想書くのも久しぶりやね、そういえば。