本やタウン:書籍近刊情報より


[単行本]
:近代映画社 『エロカル(2)』 EIGA NO TOMO同好会編 11/30 \1,575 ((エロスカルチャー本の第2弾。小説あり、マンガあり、みうらじゅん杉作J太郎あり、当時のエロス事情を知る上でも貴重な1冊。))

講談社 『詩人と絵描き 子ども・絵本・人生をかたる』 谷川俊太郎/太田大八 12/5 \1,365 
講談社 『iKILL ィキル』 渡辺浩弐 12/1 \1,365 
講談社 『マフィアとルアー』 TAGRO 12/1 \1,155 ((青春の出会いと別れを独特の繊細なタッチでTAGROが描き切る傑作短編集。単行本未収録作品を加えたオーサーズカット版。))
講談社 『主語を抹殺した男 評伝三上章』 金谷武洋 12/8 \1,575 ((「日本語に主語はいらない」。日本語文法を英語の呪縛から解き放った画期的三上文法の提唱者。不遇を託っていた天才の波乱の生涯を描く。))
講談社 『文学の誕生 藤村から漱石へ』 大東和重 12/8 \1,680 ((日露戦争以前と以後で、日本社会の文学に関する考え方は大きく変動した。藤村から漱石に至る大潮流の意義を再構築する。))

:弘文堂 『境界性の人類学』 高橋孝代 12/18 \7,140 ((奄美と沖縄の間に位置する沖永良部島。そこで生まれた著者が生地の「境界性」に注目し、島民の価値観を考究した著者渾身の書。))

集英社 『詩人の墓』 谷川俊太郎/太田大八画 12/5 \1,575 

:新潮社 『醜い日本の私』 中島義道 12/18 \1,050 

水声社 『ライオンの皮をまとって』 マイケル・オンダーチェ/福間健二訳 11/下旬 \2,940 
水声社 『美術愛好家の陳列室』 ジョルジュ・ ペレック/塩塚秀一郎訳 11/下旬 \1,575 

すばる舎 『12歳からの読書案内 海外編』 金原瑞人監修 12/中旬 \1,575 

世界文化社 『仮名手本忠臣蔵』 戸板康二 12/1 \2,520 

中央公論新社 『鬼仙』 南條竹則 12/20 \1,575 ((中国の北宋時代、鬼仙と呼ばれたあやかしの女と人間界の男たちが繰り広げる、哀切で奇妙な味わいの物語など、傑作幻想譚6篇。))

早川書房 『ブルー・ムーヴィー』 テリー・サザーン/村上博基訳 12/中旬 \1,995 
早川書房 『アメリカの眩暈』 ベルナール・アンリ・レヴィ/宇京頼三訳 12/中旬 \2,625 
早川書房 『おこりんぼの魔女がまたやってきた!』 ハンナ・クラーン/工藤桃子訳 12/上旬 \1,785 

:ブッキング 『雪の断章』 佐々木丸美 12/中旬 \1,680 

平凡社 『懐かしいラヴ・ストーリーズ』 ロザムンド・ピルチャーほか/中村妙子編 12/13 \1,785 
平凡社 『其角俳句と江戸の春』 半藤一利 12/1 \1,260 ((芭蕉に愛された異色の俳人宝井其角。酔いつぶれては名句をはく奇人ぶり、「ワビサビ」からかけ離れた難解句の奥に潜む天才に迫る。))
平凡社 『新版 マヤコフスキイ・ノート』 水野忠夫 12/11 \1,995 
平凡社 『良寛詩集』 良寛/入矢義高訳 12/8 \3,150 ((「私の詩は〈詩〉ではない」と自ら言う良寛。遊戯三昧の境涯を詠じた漢詩231首を収め、平明かつ破格な詩句に耳を傾けた現代語訳。))
平凡社 『ハイデッガー カッセル講演』 マルティンハイデッガーほか 12/11 \1,470 ((平易な語り口による講演録。ハイデッガー自身が語る簡約版『存在と時間』。弟子ガーダマーの『真理と方法』も併録。解説は木田元。))

勉誠出版 『恩愛の絆 無窮花咲く国から』 松本富雄 12/上旬 \2,625 ((自殺未遂、事業失敗、離婚、癌。波乱に満ちた「韓国系日本人」作家の生涯を描く。第63回文學界新人賞受賞者による、自伝的作品))

法政大学出版局 『マリア・アイリーン・フォルネス特集』 全国アメリカ演劇研究者会議編 12/8 \1,575 ((フォルネス作品世界の源流。戸谷陽子、新たなる創世記の形成。黒田絵美子、フォルネス劇を巡る諸矛盾について。岡本太助ほか。))
法政大学出版局 『存在と共同 ハイデガー哲学の構造と展開』 轟孝夫 12/14 \7,140 ((ハイデガー「存在の問い」の意味を探り西洋形而上学・ロゴス中心主義批判の論理を解明しポストモダンと人文科学に根源的な転回を促す。))
法政大学出版局 『レヴィナスと政治哲学 人間の尺度』 ジャン・フランソワ・レイ/合田正人訳 12/8 \3,990 ((レヴィナスの「人間性の観念=政治的なもの」をレオ・シュトラウスの政治理論と接触・対決させその政治哲学を明確に描き出す。))
法政大学出版局 『他者の権利 外国人・居留民・市民』 セイラ・ベンハビブ/向山恭一訳 12/20 \2,730 ((他者を政体に編入するための原理と実践に焦点をあて、政治共同体の境界線を考察。))
法政大学出版局 『東北の聖と賤(1)』 内藤正敏 12/8 \3,675 ((東北の地を隅なく踏破し東北の歴史と民俗に新たな光を照射する写真家・民俗学者によるニュー・フォークロアシリーズ全4巻の第1弾。))

[新書]
講談社 『「退化」の進化学』 犬塚則久 12/20 \903 ((耳の中にサメの顎、頭の中にトカゲの目。男にも「子宮」がある。ヒトの体には器官の「遺跡」がいくつもある。さあ、体内遺跡めぐりの旅へ。))
講談社 『読み替えられた日本神話』 斎藤英喜 12/20 \756 ((いま私たちが目にする『古事記』は、原初の姿ではない。その時代の要請により変形した神話の変遷を、古代から宮崎アニメまで追い尽くす。))

集英社 『妖怪びしょ濡れおかっぱ』 松原真琴/トミイマサコ画 12/18 \750 ((作家・高宮圭助は「妖怪が出る」という山奥の村に取材に出かける。現れたのはちっこくて可愛らしい少女の妖怪。))
集英社 『時間はどこで生まれるのか』 橋元淳一郎 12/14 \693 

早川書房 『ベスト・アメリカン・ミステリ・アイデンティティ・クラブ』 J・C・オーツほか編/横山啓明ほか訳 12/上旬 \1,890 

講談社BOX12月刊行分の西尾維新化物語 下』[講談社/]が抜けてたのでここで補完…そういえば最近の本やタウンのリストに西尾維新って載ってないよね? それはそうとして、今回まずは内藤正敏小松和彦とコラボレートした『鬼がつくった国・日本』 を読んだことが民俗学に興味を持ったはじめなので『東北の聖と賤』は見逃せない。そして『主語を抹殺した男』…プライヴェート・アイものの翻訳を読んでて「…“俺”とか“わたし”とかの主語を省けばもっと文章がタイトになるのに…」とかいつも考えてる“オレ”にとってこれも見逃すわけにはいかない。あと水声社のオンダーチェとペレック、見逃すも何も11月下旬ってもう何日も無いっちゅうねん。マヤコフスキイ・ノートと佐々木丸美の復刊物はデフォ買。それにしてもいま絶賛読み中のエカ・クルニアワン『美は傷』はめっぽう面白い。20世紀初頭から世紀末を貫いてジャワの架空都市で繰り広げられるひと癖ふた癖をもった連中による奇異な“物語の大海”的群像劇で、しかし悲劇的とか情感とかに風穴をあけて過ぎ去ってゆく明朗で闊達な無常観とでもいうべきテクスチャーがなんとも気持ちいいファンタシイ。『シンセミア』とか『ゼウスガーデン衰亡史』が好きな人にお勧めしたいね。