本やタウン:書籍近刊情報より


[単行本]
以文社 『VOL(1)』 酒井隆史編/平沢剛編 5/17 \2,310 ((理論/アート/運動をラディカルに組み替える新思想詩『VOL』の誕生。有望若手思想家を中心に「思考」の場所を取り戻す。))

:鳥影社 『シャルロッテ・フォン・シュタイン ゲーテと親しかった女性』 ヨッヘン・クラウス/茂幾保代訳 5/下旬 \2,520 ((ゲーテの付属物としてのシュタイン夫人ではなく、彼女を描くことで、当時のヴァイマルの町やそこで生きた人間たちを描く。))
:鳥影社 『ロマネスクの透明度』 高橋英夫 5/下旬 \1,995 ((日本の近・現代を代表する27名の作家たちについての作家論集。ロジックとレトリックで作家たちの独自性を直感的に語る。))
:鳥影社 『高見順の「昭和」』 坂本満津夫 5/下旬 \1,680 ((昭和40年58歳での「中道の死」に至るまで、常に時代と向き合い、イキのいい作品を書き続けた作家の生涯と、作品の魅力を追う。))
:鳥影社 『追悼 丹羽文雄』 大河内昭爾 5/下旬 \1,470 ((昭和の文豪・丹羽文雄を雑誌「文学者」で深くかかわった著者が哀悼する。丹羽文雄の知られざる素顔を探訪。))

幻冬舎 『無痛』 久坂部羊 4/25 \1,890 

:光文社 『あしたは金色の雨がふる』 桐生典子 5/19 \1,890  ((普段は日常の下に隠されている心の底の不安と恐怖・悪意。東京と足尾、現代と明治の時代で織りなす後悔と願いの物語。))
:光文社 『カランポーの悪魔 シートン「探偵」動物記』 柳広司 5/19 \1,890 ((シートン先生は名探偵だった。「狼王ロボ」や「賢いカラス」の背後にあった殺人事件。シートンと動物たちが大活躍で謎を解く。))

新紀元社 『図解 吸血鬼』 森瀬繚/静川龍宗 7/中旬 \1,365 
新紀元社 『ダーティペア コンプリートアートワークス』 高嶋規之 6/中旬 \2,100 

水声社 『城北綺譚』 中村真一郎 4/27 \1,890 ((60年の純愛を描く、単行本未収録の新発見遺稿、待望の刊行。『全ての人は過ぎて行く』『日本古典にみる性と愛』同時刊。))

筑摩書房 『食べない人』 青山光二 5/下旬 \1,890 ((人前で食べる姿を見せなかった織田作之助の妻。年老いて記憶を失くした妻との食事。円熟した筆致で、食とエロスをみずみずしく描く。))

:NHK出版 『ウィトゲンシュタイン 「私」は消去できるか』 入不二基義 5/30 \1,050 ((「すべて」と「無」が一致する不思議な世界。独我論から私的言語論まで、「私」をめぐる独創的思考の奥深くまで分け入る。))

早川書房 『文章探偵』 草上仁 5/下旬 \1,785 
早川書房 『破局』 ダフネ・デュ・モーリア/吉田誠一訳 5/中旬 \2,100 
早川書房 『リングワールドの子供たち』 ラリイ・ニーヴン/小隅黎訳 5/下旬 \2,310 

[新書]
:光文社 『翼とざして アリスの国の不思議』 山田正紀 5/19 \840 ((日中台が領有を宣言している南洋上の孤島・鳥迷島に上陸した右翼の若者たち。彼らの先鋭的な行動は、不可解な惨劇に直結していく。))

早川書房 『最後の旋律』 エド・マクベイン/山本博訳 5/中旬 \1,260 

『食べない人』は紹介文を読んで一気に欲しくなったね、『夫婦善哉』の織田作之助とその妻の老境ですよ。あとは中村真一郎の遺稿、以文社の新雑誌を買い。近況:『アウトブリード』『言葉の外へ』『小説の自由』…と保坂和志を読み返していたらもうたまらなくなって『カンバセイション・ピース』をとりあえず注文する。保坂和志はいままでエセーは読んでいても小説は読んでなかった。なんかえらくもったいないことをしていたんじゃないかと反省中。ほかに藤岡真米澤穂信あせごのまん等々を読む。そして友成純一の復刊『黒魔館の惨劇』、これ未読だったけど面白いね。2話め「異邦人の街」での、秘教によって浸蝕されるイングランドのイメージはグロテスクでバッドテイストなセンスオブワンダーが広がっていく感じは最高。幽霊屋敷物の逸品。