新書館書籍新刊より


[bk1/amazon]新書館 『SFベスト201』 伊藤典夫編 \1,680 05/予定
↑詳細のなかに『決戦! プローズ・ボウル』があって大笑いする、そんな生業。パルプ作家が小説を書き飛ばしていく日常の辛さ/苦しさを、競技に勝つために自分の体を壊すことまでもいとわないマゾヒステリックな鍛え方をするスポーツ選手にたとえ、スタジアムにて2人のパルプ作家が10000語の短編小説を書き上げるか速さを競い合う“ニュー・スポーツ”がひとつの娯楽として確立した世界。その頂点プローズ・ボウル(もちろんアメリカンフットボールの頂点ローズボウルのもじり。prose=散文)で繰り広げられる悲喜こもごものスラップスティック…という大衆作家にとってのちょっと自虐的な冗談を作品に仕立ててしまっているのは悪名高き(笑)プロンジーニ&マルツバーグ。この連名にいや〜なトラウマのあるミステリ読み人は多いと思うけどまあそーゆー本です、ちなみにオレ大好き。その軽さにおいて『暗黒太陽の浮気娘』と双璧をなすバカ本、しかしいかに好きと言うてもさすがにベストに入れちゃあアカンでしょう(笑)。…あ、マイケル・ブラムラインの『器官切除』なんてのもある。表題作はレーガンの身体をゲバラが解体し第3世界に資源として送り出す手術の模様のレポート、というメタファにしても悪趣味な(←褒め言葉)怪作。白水社の異形の企画もの、叢書ライターズXはどこかでまとめて復刊/文庫化してくれませんかね…無理だろうなぁ。