アリエナーイくらいさぼってたのはノヴァーリスやティークといったドイツ・ロマン主義の作品を拾い読みしてたり(そのわけはそのうち書くかも)、平岡正明『大落語』のフモールに中てられてティーネージャーの頃に姉貴の本棚からかすめてきた落語関連のあれこれを押入れからサルヴェージしたり、ついでとばかりに拾いだした河出文庫版の稲垣足穂コレクションをついうっかり読んでしまって宇宙的エティックなコント/メルヒェンにゆめ戯れに耽ったり、さてそろそろと思ったところでミルチャ・エリアーデの作品集第3巻とアリステア・マクラウドの長編とフラン・オブライエン『ハードライフ』と『死体はみんな生きている』と中村隆資『出雲願開舟縁起』が届いてしまって、なんだかんだで今はタニス・リーを再読中…言い訳はコレくらいにして、岩波文庫の神品の一つ『中世なぞなぞ集』(←サルヴェージ中に発掘して上機嫌)を片手に本やタウン新刊リストのチェック(問:このこかへせ 答:ごま …とか、いいッすよねこのトホホ感)


[bk1]朝日新聞社 『SUEスー(仮)史上最大のティラノサウルス発掘』 ピーター・ラーソン/クリスティン・ドナンほか監修 
[bk1]朝日新聞社 『かわうその祭り』 出久根達郎 
[bk1]岩波書店 『歌の祭り』 ル・クレジオ/管啓次郎 
[bk1]岩波書店 『ポストコロニアリズム』 ロバート・J・C・ヤング/本橋哲也訳 
[bk1]イースト・プレス 『ゴルゴ13はいつ終わるのか?』 竹熊健太郎 
[bk1]角川書店 『さよならの空』 朱川湊人 
[bk1]講談社 『灰色の北壁』 真保裕一 
[bk1]講談社 『抗争する人間 ホモ・ポレミクス』 今村仁司 
[bk1]産業編集センター 『ウルフ・タワー(1)ウルフ・タワーの掟』 タニス・リー/中村浩美訳((bk1にて1、2巻ともに予約受付中[bk1][bk1])) 
[bk1]祥伝社 『大東京三十五区 亡都七事件』 物集高音 
[bk1]祥伝社 『夜夢』 柴田よしき 
[bk1]DHC 『シドニー 迷走紀行』 ピーター・ケアリー/宮木陽子訳 
[bk1]みすず書房 『グラン・モーヌ ある青年の愛と冒険』 アラン・フルニエ/長谷川四郎訳 
[bk1]みすず書房 『悪戯の愉しみ』 アルフォンス・アレー/山田 稔編訳 
[bk1]以文社 『非対称化する世界『〈帝国〉』の射程』 西谷 修/酒井直樹 
[bk1]晃洋書房 『形而上学と宗教についての対話』 ニコラ・マルブランシュ 
[bk1]平凡社 『再生産について』 ルイ・アルチュセール/西川長夫ほか訳 
[bk1]平凡社 『画狂人ホルストヤンセン』 谷川 渥ほか 
[bk1]法政大学出版局 『ユンガー=シュミット往復書簡 1939-1983』 ヘルムート・キーゼル/山本 尤訳 
DHCのピーター・ケアリーエドマンド・ホワイト『パリ遊歩者のまなざし』と同じWriter & Cityシリーズに属するものでしょうか。極度にソフィスティケートされたユーモアは強暴ですらあることを実証してくれたエスプリのテロリズム、アルフォンス・アレー『悪戯の愉しみ』は福武文庫版を擦り切れるほど読んでたのでまた買うかも、でもこーいうのやっぱりはハンドヘルドであって欲しい。あとル・クレジオのエセーはまず外せない、っていうか『調書』とか『物質的恍惚』とか初期の作品を復刊、できれば文庫化希望なのですけどね。そしてもうコレしかないですよタニス・リーのウルフ・タワー。“平たい地球"シリーズで徒に耽美派の名前を一身に背負ってはいるけれど本質的には優れた語り部であって、インドに材をとった短編集『タマスターラー』[bk1]の豊かなヴァラエティには感心することしきり。フェヴァリットはモダンホラームーヴメントの煽りで出版されたかなんだか知らないけれど角川書店から出ていた“パラディスの秘録”『幻獣の書』『堕ちたる者の書』、平たい地球シリーズのような派手さは無いけれど完成度と技巧の極北「黄の殺意」(『堕ちたる者の書』)は天使の魔性を描ききった逸品。向こうでは4巻まで出版されているので産業編集センターの中の人にはぜひともサルヴェージして欲しいところです。