↓とか書いておりましたら…

森見登美彦四畳半神話大系』[太田出版][bk1]が届きましたのでさっそく読み始める生業…といきたい所なのですが、実を申せばただいま読み中の陰山琢磨『星々のクーリエ』[朝日ソノラマ/ソノラマノベルス][bk1]がなんともSFSFしていて面白い。ナノテクでAIコンパニオンと直結しメガテクノロジー武装強化されたジャケットに身をつつむボーイッシュなヒロインはリアル・ヴァーチャルの空間を問わず軌道エレベータの下でテロ/カルト集団を遊撃する日々を送り、反水素という無限のエネルギーを持ったテラフォーミングロボットは恒星系内に小惑星群を材料にして“文字通り”惑星をあつらえ、人類文明の恒常性を維持するために産みだされた人造人間クーリエはある意味では神のごとき力を持っていたり、その「クーリエの暴走抑止のために自死因子を埋め込む」という“非人間的行為”に心を痛める地母神信仰の集団がクーリエ解放に乗り出したり…やりたい放題でこれでまだ50頁前後、宇宙へ行きたい人は太陽風や磁場を“見”たり皮膚で“感じる”ための改造を、自身にほどこして軌道を漂ったりする。中には宇宙船に自分の大脳を強化移植して、話し相手のAIを連れて銀河中心や近隣の島宇宙見物へ、反水素イオンを燃料に100G加速でぶっ飛ばしている人もいる。*1なんて描写も出てきてはもう読んじゃうしかしょうがないでしょう。
 

*1:『星々のクーリエ』p39