http://d.hatena.ne.jp/kosekei/20040117#1074356209

私的には、冒険小説というのはフィジカルな危機とそれを乗り越える肉体という構図を第一とするものと考えてます。雪山、砂漠、密林などを舞台にした秘境冒険譚がもっともプリミティブなかたちの冒険小説で、ただ交通の便の発展とともに秘境と呼ばれる場所が失われていくと次に舞台は戦争へと移っていくのですが、まぁこれもテクノロジーの発達によって情報戦が主体となるとごにょごにょ … 北上次郎『冒険小説論』[bk1]←この本の受け売りなんで図書館あたりで探してみてください。ただ冒険小説からリアリティが失われ、肉体の試練の場が犯罪小説に移ってくるあたりになると肉体⇔精神の関係性/重要度が逆転してハードボイルド的な倫理の問題が浮かび上がってきます。村上春樹は、どちらかといえばハードボイルドの範疇に入ってくると思いますね、あくまで “どちらかといえば” ですが。