ジスラン・タシュロー『悪党どもはぶち殺せ!』[bk1]

仕事の休憩中にちょっと頁をめくってみたらうっかり全部読みきってしまったのですよ、こーゆーの大好き。悪魔から手に入れた0.666口径リボルバーで悪党どもを闇に葬る世界一の腕利き捜査官…とか書くと嫌な汗を流す人もいるでしょうが、大丈夫、基本はユーモア、でもブラックとかナンセンスとかそーゆう"高尚"なものじゃなくってとことん下品で下世話。バーバレラやフレッシュ・ゴードンのようなグラム・ポップ・ムーヴィの舞台でスレッジ・ハマー*1が活躍しているとでも言えば三十路を超えた人ならわかってくれるんじゃないかしらん(笑)。ううむ、いまどきの人には猟奇犯罪版オースティン・パワーズDXと紹介するほうがわかりやすいのかなぁ?*2 ストーリーとは(多分)無関係に挿入されるちっともエロティックじゃないエロシーンとか、役に立ってるのかどうか不明なp124の「セリフの謎」を解き明かす場面*3とかとことん成り行きまかせのバカ本、本国で”Very Crazy!”と評されたのも納得。なかでもバカなのが作者による"原注"、”相手の睾丸を蹴りあげた”の注が”読者にも相手の叫び声が聞こえることだろう”とか書いてあるのはまだかわいいほう。スペクトゥールが悪魔から銃を授かるとき”…女の硬い胸をなでるように銃床に指を滑らせ、クリトリスを愛撫するかのように…”原注:”おわかりだろうが、著者はひどく興奮している。早くこの章を終わらせたいものだ。” …そんなことしるかーッ! …ストーリーが佳境にさしかかる後半になるとこの原注の頻度が下がるのが本書の最大の欠点ですな(笑)。

*1:あ、ハマーは女嫌いだからちょっと違うかも

*2:…弱気なのはオースティン・パワーズDXを見たことが無いからなのです(汗)

*3:タテヨミかよ(笑)