『姉飼』[bk1]

読了、さくっと。表題作の脂祭りの場面を読んでると「グロテスクと言うよりスカトロジーなんじゃないかな」とか思ったりもしましたが、4作品読み終えてみると、これそんなに的外れな考えじゃないかも。串刺しの姉、インスタントフーズを思わせるキューブガールズ、未完成で放棄されたジャングルジム、そして熟れきった腐臭の漂ってきそうな果物と寄生蜂の島…と一貫した廃棄物への偏愛が素敵です。「妹の島」のような、物語が結末に向けて回収される寸前に大慌てで幕を引いてしまう呼吸も、ぼくは好きですね。高橋葉介の手による漫画化がピタリはまりそうな、そういう作品集。悪食な人はどうぞ。