盛田隆二『ストリート・チルドレン』[bk1]

新宿を舞台に、ある一族の300年にわたる「生」と「性」の軌跡」…読む前は多少ガルシア=マルケス中上健次を期待してました。だって作者も巻末に付されたインタヴューで言及してるし…。
実際よんでみたら実にシンプル。ヤッて産んで生延びてヤッて産んで…の繰り返し。ガルシア=マルケスのように入組んでないし中上健次ならもっとじっくり書きそうなところを第1章おおよそ60頁で6世代百数十年を一気に飛ばす豪腕ぶり。ヤるのは女でも男でも同性でも近親でも三角四角何でもあり、生き方も遊民歌舞伎詐欺家出…。2章以降ではこの一族、新宿の過去現在そして未来の時間軸をつなぐ"文学的装置"としての役割を担わされますがやってることは結局同じヤッて生延びて産んで…とことん路上の民というべきか、ヴァイタリティ溢れる力作、ごちそうさまでした。